• 2024年7月24日
  • 2024年7月23日

第659回宗像臨床アーベント

先日、歴史ある宗像臨床アーベントの座長を務めさせていただきました。

演者は独立行政法人国立病院機構九州がんセンター整形外科医長の薛宇孝先生。

「がんロコモの視点から見る、がん患者の運動器プライマリ・ケアと地域連携」という整形外科のみならず様々な分野の先生方にとってもトピックな演題でご講演いただきました。

がんの骨転移、がん治療の副作用、そしてがんに併存する運動器疾患などの要因でがん患者さんの移動能力が低下した状態が”がんロコモ”とよばれています。

がん治療の進歩に伴い、がんと共存しながらの寿命が延伸する結果、がんロコモの患者さんの数が増えているそうです。

がんロコモになると患者さんの生活の質が低下するばかりでなく、がんの治療においても支障をきたし、生命予後も左右します。

クリニックの診療では、骨転移を見逃さない、早期発見に務めること。リハビリでは関節が固くなることを防ぎ、筋力の維持や筋力を上げ患者さんがいつまでも自立した生活ができるよう診ていくことの重要性を教えていただきました。

骨粗鬆症の予防と治療も大切です。がんの治療は薬を沢山使うので骨折を起こしやすくなります。

病気に過剰に反応した結果、安静だけを重視していると筋肉が落ちていくばかりで、先に述べたように生活の質が下がり、がんの治療においても支障をきたします。

その時その時に必要な予防、治療を行いながら、動ける体を維持し、さらに動けるようにするため筋肉を落とさないよう、歩行状態を改善できるよう共に戦っていきましょう。

がんロコモに関わる骨転移や骨粗鬆症の予防と治療は大変重要で、その詳細について大変分かりやすく教えていただきました。薛先生、誠に有り難うございました。  院長

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