- 2024年9月8日
教えてドクターQ&A 骨粗鬆症
8月23日に西日本新聞に掲載した骨粗鬆症についての記事を添付いたします。
Q.78歳の女性です。骨粗鬆症と診断されましたが、今後ずっと薬を服用し続けないといけないのでしょうか?
A.骨粗鬆症は骨の量が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症が原因で背骨や股関節の骨折を生じると、自立した生活が難しくなる可能性があります。本邦での2022年の調査によると、介護が必要になった主な原因のうち、「骨折・転倒」は「認知症」「脳血管疾患」に次ぐ第三位と、高齢化に伴って増加傾向でした。骨粗鬆症は、ひとたび骨折が生じると健康寿命が脅かされる恐ろしい病気なので、予防や治療が大変重要です。しかしながら、ただ漫然と薬を服用し続ければ良い、というものではありません。整形外科の診療では、骨折リスクの評価、定期的な骨密度検査、骨代謝マーカーなどの血液検査、そして全身の状態などを総合的に検討し、適切な薬を適切な時間に服用していただくことで、長期的に最大限の効果が得られる治療法を選択します。もちろん、治療の効果によって骨折リスクが十分に低下したと判断される場合には、休薬することもあり得ます。