• 2024年12月8日

歯科で抜歯を勧められましたが骨粗鬆症の薬を中止する必要がありますか?

Q、80代女性です。現在、骨粗鬆症の治療を受けています。最近、歯科で抜歯を勧められましたが、骨粗鬆症の薬を中止する必要がありますか?

A、骨粗鬆症に対する薬物療法中の歯科治療において、顎骨壊死の発生はやっかいな問題です。まず、薬剤関連顎骨壊死の原因になる骨粗鬆症の治療薬は、骨吸収抑制作用を持つ薬剤で、その他の骨形成促進薬や活性型ビタミンDは関与しません。また、骨粗鬆症の治療に使用される比較的低用量の骨吸収抑制薬による顎骨壊死発生リスクは、とても低いといわれています。ひとたび顎骨壊死が起こると難治性のため、以前は抜歯などの歯科手術前に顎骨壊死予防の目的で骨吸収抑制薬を休薬するのが一般的でした。しかしながら、休薬のメリットを示す証拠がないことから、顎骨壊死検討委員会の2023年ポジジョンペーパーでは「原則として抜歯時に骨吸収抑制薬を休薬しないことを提案する」とされました。

最終的に薬を中止するかどうかは個々の患者さんの骨折の危険性と顎骨壊死のリスクの評価から判断されるため、整形外科医と歯科医の緊密な連携が重要です。

2024年(令和6年)11月22日金曜日 西日本新聞に掲載した内容を添付いたします。 院長

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