- 2025年9月14日
腰痛分離症
今年8月に西日本新聞に掲載しました教えてドクターQ&Aを添付します。
Q、13歳の息子が3日前から腰痛を訴えており、サッカーが出来ない状態です。早めに病院を受診した方がいいでしょうか?
A、スポーツをされる10~15歳の発育期の腰痛の原因として『腰痛分離症』が代表的です。
腰痛分離症の病態は疲労骨折なので、早期~進行期の段階で診断されれば、装具による治療で骨が癒合する可能性があります。しかしながら、放置して時間が経つと骨癒合が難しくなります。そのため、早期診断・治療が非常に重要で、早めに整形外科を受診することが勧められます。診察で腰椎分離症が疑われた場合、画像検査をおこないます。単純X線は早期の以上が検出できないことが多く、またCTは被爆の影響を考慮し、小児では必要最小限の使用にとどめます。一方単純MRIは被爆の心配がなく、疲労骨折の初期段階を診断でいるため、治療方針の決定や治療効果の確認に役立ちます。治療は、早期~進行期ならば3~6ヶ月の装具療法が行われます。その間、スポーツを休止する必要があるため、ご家族や指導者など周囲の方々の理解や支援、そしてお子さんへの精神的な配慮が求められます。 院長