- 2026年11月2日
- 2026年11月1日
骨粗鬆症治療薬:テリパラチド酢酸塩
10月8日の院内勉強会では、骨粗鬆症治療薬であるテリパラチド酢酸塩について学びました。
テリパラチドは、骨をつくる「骨芽細胞」の働きを高める骨形成促進薬です。週1回または週2回、間欠的に投与することで骨形成を促進し、骨密度の増加や骨折リスクの低下をもたらします。
また、骨の強さは骨密度だけで決まるものではなく、骨の微細構造やコラーゲンの性状などを含めた「骨質」も重要です。テリパラチドは骨の新陳代謝である「骨リモデリング」に働きかけ、骨の構造や骨質の改善にも寄与すると考えられています。
今回、特に興味深かったのは、テリパラチドの疼痛軽減作用についての新しい知見です。
骨粗鬆症による脊椎椎体骨折では、骨折後の腰背部痛が患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼします。テリパラチドには骨形成を促進する作用に加え、骨折後の疼痛を軽減する可能性が報告されています。
さらに近年の基礎研究では、脊髄におけるミクログリアという細胞の活性化を抑制し、痛みの伝達に関与する可能性も示されています。こうした研究は、骨形成促進薬の新たな作用を理解するうえで大変興味深いものです。
骨粗鬆症治療では、骨折を予防することはもちろん、骨折後の痛みや身体機能の低下をできるだけ抑え、患者さんの生活の質を維持することも重要です。
今回得た知見を、今後の骨粗鬆症診療に活かしていきたいと思います。
院長
