- 2025年3月13日
- 2025年3月10日
圧迫骨折
先月の西日本新聞「教えてドクターQ&A」で回答した内容を記載します。
Q:84歳の女性です。腰椎圧迫骨折で治療しましたが、昨日、物を取ろうと捻った瞬間から背中が痛くなり動けないくらいです。もしかして、また圧迫骨折なのでしょうか?
A:84歳というご年齢と、腰痛圧迫骨折の既往から、急に生じた強い腰背部痛の原因は脊椎椎体骨折(胸腰椎圧迫骨折)である可能性が高いと思われます。昨年の骨折のあと、骨粗鬆症の治療をされていましたか?ひとたび脊椎椎体骨折が発症すると、その1年以内に次の椎体骨折が起こるリスクは増加します。なぜならば、脊椎椎体骨折自体が骨の脆さや弱さを反映することに加えて、椎体骨折が起こることで身体バランスの変化や運動機能の低下など、骨折しやすくなる条件が重なってしまうからです。
なので、骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでは骨密度測定の結果いかんにかかわらず、1回の脊椎椎体骨折で骨粗鬆症と診断し、薬物治療を開始することが勧められています。脊椎椎体骨折は日常生活動作や生活の質を低下させるだけでなく、生命予後も悪化させます。次の骨折を予防する骨粗鬆症治療の導入が大変重要です。院長
